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失火法と火災保険の関係・類焼損害補償、借家人賠償責任はなぜ必要なのですか?

2022年07月26日

【ご相談事例】

失火法と火災保険の関係・類焼損害補償、借家人賠償責任はなぜ必要なのですか?

【ご回答】

失火法は「失火によって隣家に被害があっても、重大な過失や故意でなければ賠償する義務はない」という法律です。

しかし、周りの住居に対して何の補償もしない、というのは今後のご近所付き合いなどを考えれば、社会通念上難しいといえます。

そこで、各保険会社から出されているのが「類焼損害補償特約」です。

類焼損害補償特約は、自宅からの出火により、ご近所が類焼した場合、新価額を基準に損害を補償する特約です。

支払われる保険金は延焼した隣家の火災保険で不足している費用です。

例えば...

・類焼による隣家の損害額:3,000万円

・隣家の火災保険で支払われた保険金:1,000万円

上記の例で言えば、隣家の火災保険で不足する2,000万円が類焼損害補償特約で支払われる上限となります。

支払い上限額は1億円としている保険会社が多くなっています。

隣家の火災保険が「時価」で契約されている場合、年々その時価額は減っていきますので、類焼損害補償特約が活躍できるケースが非常に多くなります。

類焼損害補償特約の対象となるのは、居住している建物に限られるため、空き家・家財への被害は対象となりませんので、ご注意ください。

賃貸物件の場合でも、失火法に基づけば失火の責任は問われません。

しかし、家主との賃貸契約に基づき、建物を原状回復して返す義務が発生します。

賃貸人の失火による賠償事故は「借家人賠償責任保険(借家人賠償責任補償ともいう)」という特約でカバーできます。

具体的には火災、破裂・爆発、漏水事故によって発生した賠償金を補償できます。

上限額は500万円~1億円と保険会社によって異なります。

※本記事は、記事作成日時点での情報です。
最新の情報とは異なる可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

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